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第七 後見人ぶる宮内庁

 

 この人権問題に関していかなる機関も沈黙を貫くこの異常事態のため、本年1月2日、最後の期待をもって、皇居に入った。そして、一般参賀後、宮内庁の坪倉さんに本件のあらすじを打ち明けた。坪倉さんは本文書の「求む逃避地」とその概要文を読み、我々の氏名を確認し、すぐに、我々が公開した「譲位のご意向と陛下暗殺史実隠蔽者による新たな謀反」(同「言葉なる刃 その1」)と題するホームページから我々の氏名を知る二人の宮内庁幹部らを呼んだ。現れた二人は、同じく本文書の同内容を興味深く一読したが、少々考え込んだ末、冷淡な口調で「この人権問題は宮内庁と何の関係もない」及び「天皇陛下は単なるシンボルやアイドルだから、この文書を受け取ることはできない」と強調した。名乗りもしなかった二人は、その肩書きをも明かさなかったが、上司にあたる者は、特徴的なことに、その左腕のワイシャツ袖口からはみ出ながらも左手首の内側に隠れるようにして緊急事態用のボタンを取り付けていたケーブル男であり、我々を馬鹿にするように「この問題は警察に相談してください」と言った。しかし、警察組織の多くの不正があってこそここまで発展した人権問題であることを強調すると、彼は一転して、皇居の外での本文書配布に関して「どうぞ、ご自由に」と言い放った。

 これを受け、この発言が彼一個人としてのものであるのか、宮内庁組織(山本長官側・39)としての主張であるのかを尋ねたところ、彼は無言になった。そこで、この人権問題の桁が戦後史上初のものであること、及び、陛下が国民の象徴だけでなく「統合の象徴」でもおられることを強調したが、「陛下はアイドル」と発言した男はその統合の象徴の言葉を打ち消そうとするかのように話に割り込み、「国民の象徴です」と繰り返した。この展開を受け、二人の軽蔑的な振る舞いが、天皇陛下のお顔に泥を塗るものであると指摘したが、ケーブル男の完全な沈黙とアイドル発言男のせせら笑いの壁に突き当たった。憤りを覚えつつ、宮内庁組織が天皇陛下と国民との間の溝を深めてばかりいることが浮き彫りとなった時点で、話は終わった。

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 驚くべきことに、ちょうどこの1週間後の9日、元侍従長の渡辺允氏(40)は陛下の統合の象徴について、次の言葉を発信した。しかし、その表現も内容もあまりにも不自然且つ意外であったため、我々の亡命の道に言及しているとしか解釈することができずにいる。渡辺氏の発言は「人と正面から向き合うということ。離れて行ってしまうかもしれない人たちを国民の中に取り込む、まさに統合の象徴だと思う。そのための求心力に陛下がなっておられるんじゃないか。」であり、第八に記載のとおり、近々ホームページ公開予定。

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